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2026.05.20

トレーナーが知らない、会員の脳内で起きている自動処理

トレーナーが知らない、会員の脳内で起きている自動処理vol.938


 


こんにちは。パーソナルジムのブルーオーシャンです。


今日も毎日がチートデイの吉田がご案内します。


 


今日は、心理学で紐解くヘルスケア(トレーニング編)です。


これは、ターゲットは、どちらかといえばトレーナーやインストラクター、経営陣向けになりそうです。


 


先月まで週2で来てくれてたのに、急に来なくなってしまった。


 


フィットネスクラブでは、このようなタイプの会員さんは、沢山います。


では、このようなタイプの方の心理というのは、単に意思が弱いからなのでしょうか??


もし、意思が弱いからそうなるのだとしたら、トレーナーや経営陣は、会員の意思を鍛えることが必要という事になります。


しかし、長らくこの業界にいますが、意思を鍛えるというアプローチをしている人を見たことがありませんし、その分野の知見を持つ人も、まずいないでしょう。


 


つまりは、フィットネスクラブ側もなぜ、人間がそうなっていくのかの仮説を明確に立てることすら出来ないでいると考えられます。


勿論、僕にもそれを明確に答えることは叶いませんが、自分なりに思うところはあるので今日は吉田流アプローチをと思います。


 


認知的不協和


 


過去のブログで紹介した内容ですが、すでにご存じの方もいるかもしれません。


自分の行動と認知が矛盾し、それにストレスを抱えている状態をいいます。


 


ダイエットをしたいけど、たけのこの里を食べるのをやめられない


 


認知と行動が乖離していますよね。


だから、糖尿病になったり、高血圧になったりするわけです。


 


ただ、そんな事は考えれば誰でもわかることで、知ったところでどうしようもないですよね。


ここでのポイントなんですけど、人間は、認知と行動が乖離している事にストレスを感じると、行動ではなく、信念を変え始めるんです。


 


ちょいと、例を出してまとめます。


 


認知A:「体を鍛えることは自分にとって大事だ」


認知B「自分はちゃんとトレーニングに通っている人間だ」


 


これは、心理的に快適ですよね。


ところが…


 


認知A「体を鍛えることは大事だ」


認知C「でも今日、行かなかった」


 


この矛盾が不協和でストレスになります。


このストレスを解消するのは、3つしかありません。


1.行動を変える


「来週は必ず行こう」と行動で矛盾を解消する。


これが一番健全ですが、実は心理的コストが一番高い。なぜなら、行動を変えるにはエネルギーが必要だからです


時間を作り、体を動かし、ジムに行くという物理的な労力がかかる。


 


ですから、ブルーオーシャンの会員さんは本当に凄いんですって。


多分、日本で1%程度しか存在しない精鋭だと思います。


 


2.認知Aを弱める(信念の書き換え)


「そもそもトレーニングってそこまで大事か?」「別に週1でもいいし」「健康診断は問題なかったし」と、トレーニングの重要性自体を下方修正する。


これは頭の中だけで完結するので、コストがほぼゼロです。


この思考を具現化すると、デビルだと思います。


 


3.新しい認知を追加して矛盾を薄める


「今週は仕事が忙しかったから仕方ない」「雨だったし」「体調がちょっと…」と、サボった行動を正当化する理由を追加する。


これも頭の中だけで完結します。


 


ここが怖いところで、人間の脳は基本的に一番コストの低い方法で不快感を解消しようとします。


行動を変えるのはエネルギーがいるけど、考え方を変えるのはタダですからね。


だから脳は自動的に、信念の書き換えか正当化に走る。


しかも本人には合理的に考えた結果そう判断したと感じられる。


超怖いことなんですけど、自覚がないんです。


 


これが認知的不協和を提唱したフェスティンガーの研究の重要な発見のひとつといわれているそうで、人は矛盾を解消した後、「自分は最初からそう思っていた」と本気で思い込むんだそうです。


 


人間の脳は、自分の行動に十分な理由がないとき、行動に合うように信念のほうを変えてしまう


しかも本人は考えが変わったことに気づかない。最初からそう思っていたと本気で感じている。


 


これをフィットネスクラブに置き換えると…


トレーニングは大事だと思っている人がサボった。


もしサボった理由が明確にあれば(出張だった、子供が熱を出した等)、不協和は小さい。


大事だと思ってるけど、やむを得ない理由があったで説明できますからね。


でも、特に理由もなくなんとなくサボった場合、脳は矛盾に耐えられないわけです。


大事だと思ってるのに、理由もなく行かなかった自分を説明できないでしょう?


すると脳は…


そもそもトレーニングって、そこまで大事だったっけ?


信念のほうを下げて、サボった行動と辻褄を合わせるわけです。


 


これが完了しちゃったとき、すでに詰んでいます。


 


では、フィットネスクラブ側はどのようにアプローチすればいいのでしょうか?


僕からの提案は2つです。


 


1つ目は、目標設定の押し売りをやめる。


 


他人が介入した目標設定にどんだけの意味があるのか僕は懐疑的に見ています。


 


目標設定の成功事例は沢山あると思いますが、認知的不協和という視点からみれば、認知と行動のギャップ製造機にもなります。


つまりは、フィットネスクラブ全体でみたとき、能動的に意思決定や目標設定などが出来ない人に対して、元気なトレーナーの目標決めましょう!!という押し売りから流され設定するような目標は、認知的不協和の製造機になりかねません。


 


2つ目は、小さなコミットに一貫性を持たせることです。


僕がフィットネスクラブの経営者なら、大きな看板にキャンペーン内容を載せるのではなく、


 


左にエスカレーター、右に階段。


どっち?


 


こんな絵面の広告を載せます。


会員やそれ以外の地域の人たちに、階段を登ろうと考える機会を増やしていく。


やらなきゃ!


その積み重ねの延長が、やろう、続けようになっていく。


小さな行動の選択を積み重ねると、自分は健康を意識している人間だという自己認知が育つ。


その自己認知が不協和への耐性になるのではという仕組みです。


 


パーソナルと異なり、人が接する機会が無に等しいフィットネスクラブで行動変容を起こしたり定着させるのは本当に難しいことなんですけどね。


ただ、先人たちが築いてきた、人間の行動心理を知ったうえでは、やるべきことが少し変わってくるのかもしれません。


 


今日のつぶやき


 


国家試験が7月。


僕が息子にやりだした毎朝20分程度のお父ちゃん塾の影響を、僕自身がモロに受けている。


試験に向けて、僕も毎朝試験勉強をするようになりましたよ。


 


僕の場合は、AIが講師。


一問一答的な問題で、解答の型を練習するだけのことなのだが、日増しに精度があがってきているのがわかります。


 


キャリコンの資格には、学科と実技があり、僕は実技のみ落ちています。


実技は、論述と面談に分かれており、その合計点で合否が決まります。


論述は、かれこれこういったパターンの人に対して、問題点やその根拠、方策などを制限時間内であげなければなりません。


僕は過去に、その合計で2点足りなかったわけで、運要素が強いとされている実技面談での点をとりにいくよりかは、論述で高得点を取ることが合格のコツと言われています。


 


今回で4回目の試験になるので、いつの間にか試験内容も少し変わっていました。


明らかに前の方が簡単だったのですが…ということで、今は毎日勉強しています。


 


実際の面談ロープレも以前より、意識高く学んでいます。


自分の落ち度が少し見えてきたのですが、面談の展開を恐れるがあまり、解説者のようなカウンセラーになっていたことに気づきました。


国家資格のキャリコンは、ロジャーズの受容共感自己一致という基本的な傾聴が求められるため、僕の社会経験とは真逆の事をやらなければならないのです。


 


まあ、皆さん同じ事はおっしゃいますけどね笑


 


だって、要点をまとめられたって、伝え返しされたって、仕事は進まないでしょう?


ボトルネックはなにで、その解決策はなにで、じゃあ、やろうよ、やればいいじゃーん!で終わる話を、キャリコン試験では、ずーっと受容しまくるわけです。


 


僕の場合、誰と仕事するかにもよりますが、話が冗長の方の場合は、しばしばクローズドクエスチョンを使いがちになります。


要するに、問題はこれとこれだよね。


これの場合の解決策の選択肢は…という具合です。


 


一方で、キャリコン試験ではそんなことをしたら一発で不合格になります。


これまで3回の試験を受けてきましたが、勿論、そんなことはしていません。


しかし、あと2点足りなかった理由が、今更わかったような気がします。


 


相手の気持ちに対して、大げさに、それは辛いですよね〜、悲しいですよね〜というリアクションが足りなかった可能性が高い。


僕の場合、あまりに臆病になりすぎて、◯◯という状況で、辛いという気持ちになったんですね…ばかりの手法でした。


それが、講師には◯だけど、◎ではないと指摘され、メッチャ刺さりました。


 


なんか、イケる気がしてきた。


7月の試験、がんばろっ


 


また明日〜


 


記事:吉田 勇気


(保有資格)


健康運動指導士/JATI-ATI/全米スポーツ医学協会パフォーマンスエンハンスメントスペシャリスト/健康管理士/健康運動実践指導者/プロボクシングライセンス(未更新)/上級心理カウンセラー/LesMills BODYCOMBAT本認定IR(未更新)/NESTAゴルフコンディショニングスペシャリスト/ファイナンシャルプランナー


(実績)


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